韓国を離れることを最後の受診日に初めて伝える人がほとんどです。その時点では、選択肢はすでに決まってしまっています。最初の相談で伝えていれば、出国の日程は歯科医師のすすめる内容を変えます——もっと小さな治療に、ときには何も始めないという判断に。
契約は終わり、ビザは変わり、会社は人を異動させます。歯科治療は、荷物のようにうまく詰めて持ち出せない数少ないものの一つです。多くの場合それは一度の予約ではなく一連の工程であり、工程には、どれだけ厚意を尽くしても縮まらない最短の長さがあるからです。
日程は最後ではなく、最初の相談で伝える
およその帰国時期が分かっているなら、治療計画を立てる前に伝えてください。
結果を変えるのは、ほとんどこの一点です。これから何年も韓国にいる人のために立てる計画と、残り4か月の人のために立てる計画が、同じ結論になるはずはありません。早く伝えられた日程は計画の前提になります。遅れて伝えられた日程は、問題になります。
「およそ」で十分です。あと3か月、春ごろ、8月に契約が切れる——どれも計画には使えます。航空券を取っている必要はありません。
残された時間に収まるもの
| 治療 | 期間を左右するもの |
|---|---|
| 検診、スケーリング、簡単な詰め物 | 1回の通院で完結します。工程を組む問題は生じません |
| クラウン・ブリッジ | 支台歯の形成から装着までのあいだの技工所の作業期間と、装着のための通院。1週間では足りず、最低限の期間が必要です |
| 根管治療 | 数回の通院が必要で、通常はその後にクラウンを被せて初めて完了とみなされます |
| 抜歯 | 抜くこと自体は短時間ですが、治癒は一瞬では終わりません。あとで埋めるつもりの欠損をどうするかは、別の判断になります |
| インプラント | 数か月の治癒期間が生体の仕組みとして組み込まれています。本当に短縮できないのはこれです |
| 矯正装置・マウスピース矯正 | 歯を動かしている期間が長く、転院という独自の問題も伴います——別の記事で扱っています |
共通しているのは、技工作業と治癒期間が最短ラインを決めているという点です。歯科医院は通院の回数を増やすことはできますが、骨の治りを早めたり、技工所の作業を時間ゼロにしたりはできません。
そのまま残したくない状態
治療の中には、終わったように見えて実はそうではない途中段階を持つものがあります。計画の段階で避けておきたいのは、次のような状態です。
- 通院と通院のあいだで止まった根管治療。仮封材でふさがれた状態です。仮の材料が想定しているのは数週間であって、海外への引っ越しではありません。
- 仮歯をかぶせただけの、形成済みの歯。 歯はすでに削られていて、長く持たせるつもりのない被せ物に頼っている状態です。
- フィクスチャーを埋入しただけで、上部構造が載っていないインプラント。 大変な部分は終わっているのに、歯はないままです。
- 抜歯したあと、欠損は「あとで」埋めるという計画。その「あとで」が、別の国・別の通貨での話になってしまいます。
どれも取り返しのつかないことではなく、すべて他の場所で対応できます。ただしいずれも、自分が始めたわけではない治療を次の歯科医師に引き継がせることになります。新しい土地での出発の仕方としては、それがいちばん費用のかかる形です。
時間が本当に足りないときは、始めないことがよりよい答えである場合が少なくありません。状態を落ち着かせ、急を要するものを処置し、全体の計画はこれから住む場所で進めるという考え方です。そう伝える歯科医師は、仕事を断っているのではなく、適切な助言をしています。
持って帰るもの
診療記録は患者本人のものです。最後の受診日の当日ではなく、その前に依頼してください。準備に少し時間がかかるものもあります。
- 画像は印刷物ではなくデータで。 レントゲンや3D撮影のデータは、元のデジタル形式のままのほうが、次の歯科医院にとってはるかに役立ちます。USBメモリに入れてもらえるか、送ってもらえるかを尋ねてください。
- どの歯に、何をしたか。 韓国の歯科医院も、世界の多くの国と同じ国際的な2桁の歯式を使っています。36、46と書かれた歯は、どこの国の歯科医師にとっても同じ歯を指します。そのおかげで、短い治療のまとめがそのまま他国でも通用します。
- インプラントが入っているなら、その詳細。 システム名と各パーツのサイズが重要です。他国の歯科医師があなたのインプラントに手を入れるには、それが何であるかを知らないかぎり部品を取り寄せられません。それが分からないと、上部構造の手直しで済むはずのものが作り直しになることもあります。多くの歯科医院がまさにこのためにカードや証明書を発行しています。引き出しにしまい込まず、パスポートと一緒に保管してください。
- 領収書。あとで保険会社に請求するつもりがあるなら必要です。
韓国で受けた治療について、帰国後に何か対応が必要になったとき、この一式があるかどうかが、話し合いで済むか推測に頼るかの分かれ目になります。
保険について、手短に
国民健康保険(NHIS)の適用は韓国での在留資格に結びついているため、在留資格が終われば適用も終わります。出国後に受けた治療は、滞在先の国で適用される制度の下で扱われます。治療の途中で、日程が差し迫っている場合は、思い込みで判断せず、ご自身の状況をNHISに直接確認しておく価値があります。適用がいつ終わるかのルールを定めているのは、歯科医院ではなくNHISだからです。国民健康保険で歯科治療はどこまでカバーされるかで、歯科の部分を説明しています。
また戻ってくる予定があるなら
いったん離れてまた戻ってくる赴任なら、計算は変わります。治癒期間の長い治療は、一時的な出国を挟む形で工程を組めることがありますし、安定しているものを安定したまま置いておくのは妥当な判断です。それも伝えてください。「10月には戻ります」は、出国の日程と同じくらい役に立つ情報で、急ぎに見えた計画を、落ち着いた計画に変えることがあります。
まとめ
何かを計画する前に、いつ韓国を離れるかを歯科医院に伝えてください。ペースを決めるのは技工所の作業期間と治癒期間だと考えておいてください。終えられない工程は始めないこと、そして画像はデータでもらうこと。目的は出発前に治療を詰め込むことではなく、次の歯科医師が一からやり直さずに引き継げる状態で発つことです。
ソウルラボ歯科医院では: 相談のときに出国予定日をお伝えください。何が間に合い、何が間に合わないか、そして何は渡航先で受けたほうがよいかを、率直にお伝えします。治療の計画と説明は、実際に担当する歯科医師が英語で行います。診療記録と画像は患者さんご自身のものですので、韓国を離れるときにお持ちいただけます。
よくあるご質問
2か月後に韓国を離れます。今からインプラントはできますか。
最後まで終える形では、通常は難しいです。インプラントは、フィクスチャーの埋入から上部構造の装着までのあいだに数か月の治癒期間が生体の仕組みとして組み込まれていて、その部分は通院の回数を増やしても短縮できません。2か月あれば、診断と、急を要するものの処置と、計画の立案までは一般的に可能です。ただし終えられない工程を始めてしまうと、フィクスチャーだけが入って歯の載っていない状態で海外に渡ることになります。提案がその前提を踏まえたものになるよう、相談の時点で日程をお伝えください。
韓国を離れるとき、どの歯科の記録を持って行けばよいですか。
レントゲンや3D撮影のデータを印刷物ではなくデジタルファイルで、どの歯に何をしたかの短いまとめを、そしてインプラントが入っているならシステム名と各パーツの情報を依頼してください。次の歯科医師は、適合する部品を取り寄せる前にそれを知る必要があります。保険会社への請求を考えているなら領収書も保管してください。準備に時間がかかるものもあるため、最後の受診日より前に依頼してください。
韓国を離れたあとも、韓国の健康保険は使えますか。
いいえ。国民健康保険(NHIS)の適用は在留資格に結びついているため、在留資格が終われば適用も終わり、出国後の治療は滞在先の国で適用される制度の下で扱われます。治療の途中で日程が差し迫っている場合は、思い込みで判断せず、ご自身の状況をNHISに直接確認してください。適用がいつ終わるかのルールを定めているのはNHISだからです。
韓国で治療を終えるのと、帰国先でやり直すのとでは、どちらがよいですか。
工程のどこにいるかによります。出発前にきれいに終えられるものは、終わらせておく価値が通常あります。途中で止まってしまうもの——通院と通院のあいだで止まった根管治療、仮歯をかぶせた形成済みの歯、上部構造の載っていないインプラント——は、一般的にそうではありません。自分が計画したわけではない治療を、次の歯科医師が引き継ぐことになるからです。時間が本当に短いなら、急を要するものを処置して全体の計画はあとに回すほうが、よい提案であることが多いです。



